楽しい×可愛い×カッコいい!VRシステムとオープンソース動画配信ソフトを活用したVtuber DJ配信環境構築ガイド
美少女キャラアバターの作成と操演=いわゆるバ美肉(バーチャル美少女受肉)は、カスタムオーダーメイド3D2やVカツ、Vroidなどのアバター作成ツールの登場によって格段に簡単になりました。誰でも美少女キャラになれるこの時代、DJもバ美肉すれば面白いのでは?ということで、SHARPNELSOUNDではDJ MAiD ACiD、PinktailzなどのVtuber DJプロジェクトをスタートしました。
バーチャル+美少女+DJ=楽しい×可愛い×カッコいいの方程式
皆様、キズナアイパイセンや輝夜月パイセンをはじめとしたバーチャルYoutuberの可愛さにスパチャやShowroomでギフト送信が止まらない幸せな日々をお過ごしつつあるのではないでしょうか。毎日Youtubeで楽しい時間を届けてくれるバーチャル美少女Youtuberさんたち。そんなバーチャル美少女がDJしていたらやたら楽しいし可愛いしカッコいいし控えめに言って最高なのでは?ということでVtuber始めました。
SHARPNELSOUNDでは、現在DJ MAiD ACiD・Pinktailzの2組のバーチャルキャラクターDJ=DJ Vtuberのプロデュースを行っています。
2018年4月にデビューしたDJ MAiD ACiDはUKを中心としたハードアシッド専門のVtuber DJとして、7月に活動開始したPinktailzはハードスタイルメインのVtuber DJとしてYoutubeでの生配信を中心に活動中です。
三大EDMフェスの一つTomorrowlandを目指すバーチャルフェス系Freestyle DJ Vtuber Pinktailz
エンパイアクラブのブースからゴリゴリのハードアシッドサウンドをお届けするバーチャルメイドアシッドVtuber DJ MAiD ACiD
いやー、楽しいし可愛いしカッコいいしですね。もっと見てみたい!という方はSHARPNELSOUNDの公式Youtubeチャンネルへどうぞ。
これまでYoutube DJ動画といえば、トップDJによるド派手なフェスでの超ブチ上げ映像(行きたい)か機材操作を中心としたテクニック動画(勉強になるやつ)が中心でした。近年のVR技術の普及と「バーチャルYoutuber」の登場によって、DJ動画にバーチャルYoutuber要素を取り入ることで、楽しく・可愛く・かっこよく見せられるようになりました。
PC用VRシステムを利用したVtuber化(バ美肉)のための基礎知識
PC用VRシステムとは、主にPC上でVRアプリケーションを動作させるためのシステムです。代表的なVRシステムとして、Oculus社のRiftとHTC社のViveが知られています。これらのVRシステムは、3DCG映像内の空間に入り込むために頭に装着するディスプレイであるHMD(=Head Mount Display)と、VR内で操作を行うためのVRコントローラー、自分の現実の位置や姿勢を3DCG空間にシンクロさせるためのセンサーによって構成されています。
PC用VRシステムとしては、Oculus RiftとHTC Vive、WindowsMRがあげられます。内蔵カメラでポジションを取得するWindowsMRは、設定が手軽な反面キャラ操演に不向きな点もあるため、ゲーム的な用途も含めて考慮するとOculusRiftかViveのどちらかから選択するのが一般的です。
RiftかViveかは悩み勝ちですが、できることはほぼ同じなので「部屋の中で立ち回れるならVive」「机の前がメインならRift」くらいな感じで考えるとよいかと思います。コントローラーはOculusTouchのほうがややDJ向きかもしれません。
これらのVRシステムを動作させるために3D専用のグラフィックカードが必要になります。ゲームでのグラフィック描画に定評のあるNVidia社のグラフィックチップGTX1060やGTX1070を搭載したビデオカード(3万~5万円程度)が使用されるケースが多いです。
これらのVRシステムによるキャラクター操演を利用して、DJ Vtuberとしてのライブ動画を作成していきます。
キャラクターアバターデザイン+VR操演
Vtuber DJになるために、まずはVtuberとしてキャラクターアバターの作成と操演(いわゆるバ美肉)を行います。Vtuber DJ のVtuberの部分です。先ほどのPC用VRシステムとアバター操演ようソフトを使用することで、自分の動作をVR空間内のキャラクターの動作に反映させることができます。
VRによるアバター操演については、IVR社のVカツPVが非常にわかりやすいので参考にしてください。
https://www.youtube.com/watch?v=Ppelid-1YC0&t=3s
いやーゲーム気分でキャラ作成からVRでの演技まで出来るとは。これまでBlenderやUnityといった専門の3D制作ツール上でフルスクラッチ~セミスクラッチを行う必要があったキャラクターアバターの作成や操演ですが、最近ではVカツやカスタムオーダーメイド3D2のVAS機能などのキャラクターデザイン・操演ソフトの登場により、手軽で簡単にできるようになりました。
- IVR社Vカツ(無料・一般向け)
Vカツ公式サイト
VRカノジョやコイカツで知られるエロゲブランドIllusionの研究部門IVRがリリースした、無料Vチューバ―支援サービス。コイカツベースのキャラクリエーションで思い通りのキャラクターデザインが可能です。「Vルーム」では、作成したキャラクターのVR操演が可能。ゲーム配信プラットフォームSteamで無料配信されており、手軽に始めることができます。SHARPNELSOUNDではPinktailzで使用しています。
- KISS社カスタムオーダーメイド3D2・バーチャルアバタースタジオ機能(パッケージ購入・18歳以上)
CUSTOM ORDER MAID 3D2
18禁アダルトゲーム「カスタムメイド3D」シリーズの最新作。4月のアップデートでVR操作で自分自身がメイドさんになることができる「バーチャルアバタースタジオ」が追加され、Vtuberツールとしても使用可能に。SHARPNELSOUNDではDJ MAiDACiDで使用しています。
他にも、VRoidなどいろいろなアバター作成サービスが続々サービスインしています。これらのサービスで作成したアバターを使って、バーチャルキャストやVRChatなどと組み合わせてVtuberデビューすることも可能です。
キャラクターの作成や操演方法については各サービスのガイドを参照してください。
Vtuber DJ配信環境
Vtuberになるためのキャラクターアバターに続き、Vtuber DJの配信環境を構築します。
SHARPNELSOUNDのVRDJ配信環境では機材の配置場所や画面の関係でVR実行・映像配信用PCとDJ用のPCを分離しています。モニタの表示面積やDJコントローラ配置場所の関係もありますが、DJ用PCを別にすることで、クラブでのライブと同じ環境でプレイすることができミックスに集中できるメリットもあります。
もちろん、マシンパワーに余力がある場合やDJ用コントローラがPC付近に設置できる場合は配信用とDJ用をPC一台で完結することも可能です。
参考までにSHAPRNELSOUNDで使用しているVR環境用のPCのスペックと主要な利用ソフトを紹介します。
- VR実行・映像配信用PCスペック・使用ソフト(自作)
- CPU:Intel corei7-7700k
- MEM : 16GB
- GPU : NVidia GTX1070
- Storage : SSD + HDD構成
- OS: Windows10
- Audio I/F : t.c.electronic Desktop konnekt6
- VR: HTC Vive
- DJ用PC
- PC: MacBook Air 2017
- DJ Controller: NI Kontrol S2
- App: NI Traktor2
また、配信で使用するソフトウェアは以下の通り。
これらのPCやソフトウェアを使用してVtuber DJ配信環境を構築します。
オーディオのルーティング
オーディオ(DJミックス音源)はDJ用PCに接続されたDJコントローラから出力されます。
DJコントローラから出力されたDJミックス音源を、ライン経由で配信環境のオーディオI/Fに入力しています。配信PCのサウンド設定でオーディオI/Fのラインステレオ入力を既定のマイクに指定しています。そのほか、DJ用のモニタヘッドフォン、出音を確認するためのスタジオモニターへの出力などを行います。
映像の合成
キャラクターの映像は、Vカツもしくはカスタムオーダーメイド3D2などVRソフトのウィンドウを、動画配信ソフトであるOBSでキャプチャーしています。Vカツについては、Vルームでの操作時に背景を単色にする設定を行い、OBS上でクロマキー合成します。
さらに、オーディオに反応した映像を生成できるオーディオビジュアライザー「VSXu」で生成した映像や各種ロゴなどを合成し、配信用の映像をリアルタイムに作成します。
動画ストリームの配信
合成した映像とキャプチャーした音声をストリームとしてYoutubeに配信することで、Youtube Liveでの生放送を行います。生放送動画は収録後そのまま公開、OBS側で同時録画してあるファイルを編集してクリップを作成するケースが多いです。
他にもTwitchやPeriscopeなどへの配信も可能です。
プレイスタイル
自分の動きがそのままキャラクターに反映されるVtuber DJ。DJプレイ時は、キャラクター操演のためHTC ViveのHMDとコントローラを着用しDJミックスと合わせてアクションを行っています。HMDとモニターヘッドフォンの干渉については現在試行錯誤中です。
実際に配信されている動画については、コメントの確認なども含めて手元のiPhoneで確認を行っています。
実際の配信の模様
上記の環境で実際に配信を行った模様がこちらです。
DJ MAiD ACiD ( カスタムオーダーメイド3D2+VSXu)
Pinktailz ( Vカツ+VSXu )
Oculus Rift + Viveで2人組ユニットでのVtuberデモ(Vカツ+VSXu)
OculusRiftとViveによる2台のPCとVRシステムで2人組ユニットによるプレイをテストしました。可愛いのがわちゃわちゃしてて最高。可愛い。楽しい。
EXTREME VTUBER DJ BROADCAST TEST2 https://t.co/uSSZse2q2d
— DJ SHARPNEL@VRDJ (@sharpnelsound) 2018年8月9日
シーンの作りこみなど、仮想クラブをイメージしながら作っていくのは楽しいですね。
あと可愛いは重要。kawaii is Justice。適度にkawaiiムーブも意識しながらも、プレイ時はDJにフォーカスしつつ基本ライブの感覚で動いてます。
まとめ
バーチャル+美少女+DJ最高。
収録終わった後毎日見返すレベルで。
(SHARPNELSOUND/JEA)
※カスタムオーダーメイド3D2はKISSのプロダクトです。
※VカツはIVR社のプロダクトです